【経済の話】グーグル、2つのクロームの拡張機能を削除―利用者からの不満受け

グーグル、2つのクローム拡張機能を削除―利用者からの不満受け

ウォール・ストリート・ジャーナル 1月20日(月)13時8分配信

 グーグルは、ウェブ閲覧ソフト「Chrome(クローム)」の2つの拡張機能(エクステンション)を同社のウェブストアから削除した。このエクステンションが、同社のサービス利用規約に違反して広告を表示させることが判明したためだ。

 インターネットの伝言板はこの週末、「Add to Feedly」と「Tweet This Page」という2つのエクステンションをめぐり騒然としていた。この2つのサービスの利用者はいずれも10万人未満。利用者は、このエクステンションに好ましくない広告を表示するコードが黙って導入されたと伝言板に怒りをぶつけた。Add to Feedlyのある利用者はこのエクステンションを「スパム」と呼んだ。自分が閲覧するどのウェブサイト上にも突然ポップアップで広告が表示されるようになったためだ。

 エクステンションは新しい機能を追加したり、既存の機能を取り除くように閲覧ソフトを変更するコード。例えば「AdBlock」は、ウェブサイト上の広告を自動的に阻止する人気のエクステンションだ。

 グーグルは昨年12月に、利用者規約を更新し、ソフトウエア開発業者がエクステンションを使ってページの1カ所以上に広告を挿入することを禁止した。例えばマルウェアに分類される「アドウェア」というソフトのように、グーグルの余白の多いホームページなど、通常広告が存在しない場所も含め、ウェブページの複数の箇所に広告を注入するのを防ぐためだ。グーグルは、エクステンションが「単一の目的」を持ち、「狭い範囲でわかりやすい」ものでなくてはならないとしている。

 Add to FeedlyTweet This Pageは利用者が少数だが、こうした措置はさらに広がる可能性がある。これらよりはるかに人気の高いエクステンションの開発業者が、エクステンションに広告コードを組み込めば報酬を提供すると持ちかけられているという。

 エクステンションをインストールする人は、そのソフトが広告表示のコードを含むように暗黙のうちに変更されていたり、閲覧習慣を見られていたりする可能性を認識していないかもしれない。グーグルはクローム・エクステンションのコードへの変更は審査しておらず、エクステンションの更新が自動的に利用者のパソコンへ反映されることを許している。

 エクステンションの開発業者が広告コードをエクステンションに埋め込み報酬を受け取ることは不適切ではない。ただそうしたコードはグーグルの課す条件に合致する必要がある。利用者は不明な情報源からの広告にさらされれば、通常激怒する。

 グーグルはウォール・ストリート・ジャーナルから連絡を受けた後、これら2つのエクステンションを削除した。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140120-00000275-wsj-bus_all
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