【経済の話】テスラ、50億ドル規模の電池工場建設を計画

テスラ、50億ドル規模の電池工場建設を計画

ウォール・ストリート・ジャーナル 2月27日(木)13時18分配信

 米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズは26日、年間50万台相当のテスラ車の販売を可能にする最大50億ドル(約5100億円)規模の電池工場の建設計画を明らかにした。

 最も安いモデルでも7万1000ドルする高級EVを製造するテスラは、建設を予定している工場では6500人を雇用することになり、1000エーカーの敷地が必要だと述べた。工場の建設予定地の候補としてネバダ州リノ、ニューメキシコ州アルバカーキアリゾナ州テキサス州が検討されている。

 それらの工場ではテスラの「モデルS」と将来のEVに搭載する強力で高価格のリチウム電池を生産する。同社は予想される需要への対応と電池のコスト低減のため自前の生産体制が必要になるとの考えを示した。

 規制当局に提出した報告書で、社債発行により16億ドルを調達し工場建設資金の一部に充てる計画を明らかにした。工場建設の総工費は40億〜50億ドルと見積もられており、同社は20億ドルを負担する予定。

 テスラは、米国のEV向け電池工場への投資についてパナソニックと協議を重ねてきた。パナソニックは日本の他のサプライアーと共同で約10億ドル規模の同工場への投資を検討している。26日の発表文では、テスラとの「提携強化に向けてさまざまな選択肢を検討している」とした。

 モルガン・スタンレーは、テスラの目標はリチウムイオン電池の生産コストを1キロワット時当たり200ドル以下に下げることとみている。米アルゴンヌ国立研究所の計算によると、他社製品の生産コストは同約500ドル。テスラは、自社の生産コストは他社より低いと主張しているが、具体的な数字は明らかにしていない。

 テスラは、計画されている電池工場は2017年に操業を開始し、20年にはフル稼働に達して、年間50万台の電池と蓄電池を生産するようになると説明している。

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、米太陽電池パネル設置業者のソーラーシティの会長も務めている。ソーラーシティは現在、自社の太陽電池にテスラの電池パックを使っている。

 ネバダ州での交渉に詳しい人物によると、テスラはリノ地域での工場建設を検討している。

 リノではウエスタン・リチウムUSAがリチウム採掘・生産を開始したばかり。ウエスタン・リチウムはリチウムイオン電池生産の重要な材料である炭酸リチウムを生産するため実験工場を建設中だ。


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