【経済の話】グーグル、ウエアラブル機器用アンドロイド提供へ

グーグル、ウエアラブル機器用アンドロイド提供へ

ウォール・ストリート・ジャーナル 3月10日(月)10時27分配信

 米グーグルの携帯機器用基本ソフト(OS)「アンドロイド」 はスマートフォンスマホ)で最も利用されているOSだが、同社はこれをウエアラブル機器にも搭載したい考えだ。

 グーグル幹部サンダー・ピチャイ氏は情報技術(IT)業界イベント「サウス・バイ・サウス・ウエスト」で9日、スマートウォッチなどウエアラブル機器メーカー向けにアンドロイドを基盤としたソフトウエア開発者用キット(SDK)を2週間後に公開する計画を明らかにした。

 グーグルは独自のスマートウォッチを投入する予定で、これを製造するのは韓国のLG電子。グーグルは、自ら選んだハードウエアメーカーと協力して販売しているアンドロイド搭載スマホ「ネクサス」と同様に、ウエアラブル機器の「展望」を他の開発者向けに提示することを目指す。

 開発者がウエアラブル機器にアンドロイド搭載を容易に搭載できるようにするために、グーグルはウエアラブルでも携帯機器と同様にアンドロイドを無償で提供する戦略を進める。ソフトウエア開発者用キットにより、グーグルは開発者を誘致する機会を得るほか、そのソフトウエアが生み出すエコシステム(収益構造)に利用者を深く引き込める。

 ピチャイ氏はグーグルのトップ幹部の1人で、アンドロイドのほかにもブラウザー「クローム」、電子メール「Gメール」などのアプリ(応用ソフト)を統括する。また同氏はハードウエアも担当、成長中のネクサスのスマホタブレットやノート型パソコン「クロームブック」、インターネットをテレビに映すUSBメモリーサイズの「クロームキャスト」などの製品も統括している。

 ピチャイ氏は9日、クロームキャストの売り上げについて「数億」ドル規模であることを初めて示唆した。皮切りに米国で投入されたこの機器については、さらに多くの国でまもなく発売されると述べた。

 ピチャイ氏は、グーグルがウエアラブル機器用アンドロイドのソフトウエア開発者用キットを実際の機器の市場投入よりもはるか前に公表することで「多くのフィードバック」を受けられるようにすると述べた。CNETの2月の報道によると、グーグルは6月の開発者向け行事で、スマートウォッチを公表する予定。

 スマートウォッチは演算機能を盛り込む初のウエアラブル機器群に属することになる。ピチャイ氏は、グーグルのプラットフォームは開発者が他種類のウエアラブル機器を構築するのに寄与するとした上で、いつかグーグルのソフトウエアがセンサー付き「スマートジャケット」に使われる可能性もほのめかした。

 ネットに接続する温度調節装置(サーモスタット)を製造する米ネスト・ラボの買収について問われたピチャイ氏は、グーグルはさまざまな機器が共にうまく作動するようなソフトウエアの「メッシュ層」の構築を検討していると述べた。

Rolfe Winkler


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140310-00005343-wsj-bus_all
※この記事の著作権は、ヤフー株式会社または配信元に帰属します