【経済の話】<骨太の方針>「もはやデフレではない」…原案が判明

骨太の方針>「もはやデフレではない」…原案が判明

毎日新聞 6月5日(木)2時31分配信

<骨太の方針>「もはやデフレではない」…原案が判明

「骨太の方針」原案のポイント

 政府が月内に策定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の原案が4日、判明した。昨年の骨太ではデフレ脱却が最優先課題に位置づけられたが、今回は日本経済の現状を「もはやデフレ状況ではない」と強調。戦後復興を象徴する流行語となった「もはや戦後ではない」(1956年の経済白書)をほうふつとさせる表現で経済政策「アベノミクス」の成果を評価した。一方で、人口急減や財政健全化など四つの重要課題を列挙し、経済再生を目指す方針を改めて示した。

 原案は、政権発足から500日以上が経過したアベノミクスを、成果と課題に分けて評価。成果としては、1〜3月期まで6四半期連続のプラス成長となった実質国内総生産(GDP)や、3%台半ばまで低下した失業率などの経済指標を取り上げ、「(2013年度の消費者物価指数の伸び率が5年ぶりにプラスになるなど)もはやデフレ状況ではなく、デフレ脱却に向けて着実に前進している」と明記。その上で、来年度をめどとした日銀の物価目標(上昇率2%)について「実現を期待する」と注文した。

 今後の重要課題として「消費増税後の(駆け込み需要に対する)反動減」「経済好循環の拡大」「人口急減・超高齢化」「財政健全化」の四つを列挙。将来を見据えた雇用・賃金制度の在り方を検討することや、人口1億人を50年後も維持するため「年齢や性別にとらわれずに活躍できる社会」を目指す考えを示した。

 アベノミクスが効果を発揮するには「財政規律の堅持が求められる」とし、政策経費を国の借金なしでまかなえるかどうかを示す基礎的財政収支プライマリーバランス)を、20年度までに黒字化する目標の堅持を明記。膨らみ続ける社会保障費を「聖域なく見直す」とし、75歳以上の後期高齢者の保険料負担の見直しや、自治体が医療費抑制に取り組む仕組みについて来年の通常国会で法制化を検討する。

 社会資本の整備では、国際競争力を強化するインフラや国土強靱(きょうじん)化、減災・防災に資するものに「選択と集中」を徹底する。公務員制度改革では、内閣人事局を中心に女性登用の推進や働きやすい職場環境の整備を進める考えを示した。【三沢耕平】


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