【経済の話】ユーロ圏周辺国債利回り低下、債券買入策めぐる独憲法裁判断で

ユーロ圏周辺国債利回り低下、債券買入策めぐる独憲法裁判断で

ロイター 2月8日(土)4時22分配信

[ロンドン 7日 ロイター] - 7日のユーロ圏金融・債券市場では周辺国債利回りが低下し、スペイン国債利回りは8年ぶりの低水準近辺となった。

ドイツ憲法裁判所が、欧州中央銀行(ECB)の債券買い入れ策(OMT)をめぐる判断を欧州司法裁判所(ECJ)に付託したことを受け、OMTに制限が加えられるリスクが低下したとの見方が広がった。

憲法裁は声明で「OMTがECBの金融政策の責務を超え、財政ファイナンス禁止に抵触すると考える正当な理由がある」と指摘した。しかし、「債券買い入れ策の決定を限定的に解釈すれば」合法的とみなすことも可能とした。

OMTに制限が加えられる可能性が出てくれば、投資家の警戒感を招くことになる。憲法裁の発表後、当初は独連邦債が上昇したほか、ユーロ圏周辺国の短期債がアンダーパフォームするなど市場で動揺が見られた。

ただ、その後流れは反転し、スペイン10年債利回りは7ベーシスポイント(bp)低下の3.58%と、2006年3月以来の低水準に迫った。憲法裁の発表直後は3bp上昇していた。

イタリア10年債利回りも7bp低下し、3.69%となった。

シティのグローバル金利戦略責任者アレッサンドロ・テントリ氏は、「ECJは独憲法裁より幅広い視点でOMTを解釈している可能性があり、そうであれば、OMTはECBの責務の範囲内というECBの主張に近い立場をとる可能性がある」とし、相場が反転したのはそのためだと指摘した。

この日発表された1月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったが、ユーロ圏周辺国債の反応は限定的だった。インベステックの主任エコノミスト、フィリップ・ショー氏は、比較的軟調な雇用者数が天候に絡むものか、ファンダメンタルズ(基礎的条件)の問題か見極めるためには時間が必要との見方を示した。

独連邦10年債利回りは4bp低下の1.66%。米雇用統計発表後に低下が加速した。独連邦10年債先物は50ティック高の143.83。


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