【経済の話】アイカーン氏、アップル株式を買い増し

アイカーン氏、アップル株式を買い増し

ウォール・ストリート・ジャーナル 1月23日(木)13時43分配信

 米著名投資家カール・アイカーン氏は22日、5億ドルでアップルの株式を買い増していたことを明らかにした。同氏は27日に発表予定のアップルの決算に先立ち、自社株買いの規模を引き上げる計画を再び進めようとしている。

 アイカーン氏はツイッターに22日投稿した取材での発言で、現時点でアップル株を30億ドル相当保有していることを確認した。昨年10月の時点では約25億ドルだった。

 30億ドルの持ち分はアイカーン氏がアップル株主としてトップ15に入り、アップルの発行済み株式の0.6%を占めることを意味する。

 アップルの22日終値は前日比2.44ドル(0.44%)高の551.51ドル。時間外では552.85ドルで取引されている。

 アイカーン氏は取材で、数日以内に自社株買い戻しの規模拡大を求める書簡を送ると述べた。

 アイカーン氏はアップルのこれまでの自社株買いの決定について「他にもやることを抱えた一部の投資銀行家に支持されている取締役会によるただの決定であるべきではない」と指摘し、「そうした状況は小口投資家には不利だ。大規模投資家は買い戻す余裕があるが小口投資家にはない」と述べた。

 この書簡はアップルの手元現金1500億ドルをめぐりアイカーン氏がアップルと繰り広げるせめぎ合いの最新事例となる。アップルは自社株を買い戻しているが、そのペースと金額はアイカーン氏を納得させていない。

 アイカーン氏は昨年8月、アップルへの投資を始め、大量の自社株買い戻しを要求し始めた。アップルはすでに自ら記録的規模とする買い戻しを発表していたが、その計画を見直すと宣言した。

 アイカーン氏はアップルに1500億ドルの自社株買い戻しの資金繰りで大量の社債を発行するよう求めた。同氏は12月、500億ドルの買い戻しを要求するためアップルの株式を買い増した。同氏の要請でアップルは9月末までに500億ドルの自社株買い戻しを完了するよう株主総会用資料に株主の議決を求めた。

 アップルは投資家にアイカーン氏の提案に反対票を投じるよう勧告し、同社を取り巻く競争の激しい環境では多額の投資、財務的柔軟性、経営資源への容易なアクセスが必要だと主張した。そう勧告をした上で、アップルは現金による株主還元に専念しているとし、2013年9月期には230億ドルの自社株買いを実施したと述べた。

 アップルは昨年4月、600億ドルを買い戻す計画で、配当などを含め15年までに1000億ドルを株主に還元すると述べた。同社はこれまで、この計画を定期的に見直し、14年上期に何らかの変革を発表する意向をたびたび示している。 こうした計画に株主も関与させていることも明らかにしている。


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