【経済の話】アップルとの提携、iPhone販売にとどまらない=中国移動会長

アップルとの提携、iPhone販売にとどまらない=中国移動会長

ウォール・ストリート・ジャーナル 1月15日(水)14時13分配信

 【北京】世界最大の携帯電話サービス会社である中国移動(チャイナモバイル)と米アップルの契約には、スマートフォンiPhone(アイフォーン)」の販売にとどまらない幅広い協力が盛り込まれている。中国移動の奚国華董事長(会長)が15日明らかにした。

 中国移動の契約者は既に数百万台のiPhoneを注文しており、iPhoneに対する需要の強さが浮き彫りになった。中国移動は17日にアップルのiPhoneを発売する。

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は中国メディアおよびウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)との小規模な記者会見で、中国移動との提携の結果を「とてつもなく楽観視」していると話した。

 また「われわれは知り合いになった。今日が始まりだ。私は両社が今後、一緒にできることが沢山あると思う」と語った。

 中国移動との提携はアップルにとって同国でのパズルの最後のピースだ。iPhoneは中国の国有通信会社3社すべてで正式に利用できるようになる。アップルと中国移動は具体的な契約条件を明らかにしていないが、中国移動はアップルに大きな弾みをつける見通しだ。アナリストは、中国移動がiPhoneの宣伝と販売補助金に出費を惜しまないとみている。中国移動はアップルの中国での販売経路も大きく拡大する。iPhoneは中国全土の大都市や農村に至るまで、中国移動の多数の店舗で入手できるようになる。

 アップルは中国で逆風に見舞われている。iPhoneは、地元通信会社による多額の補助金がなく、同国では高価だ。消費者は米グーグルのモバイル端末用無償基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した、iPhoneより低価格の端末を選びがちだ。アップルの中国サイトによると、補助金なしの小売価格は「iPhone 5s」(16ギガバイト版)が5288元(約9万1300円)、「iPhone 5c」(同)が4488元(約7万7500円)だ。

 クックCEOは、アップルは中国移動を通じてiPhoneを提供し、中国でできるだけ多くの消費者に働きかけたいと語った。さらに、同国にはアップルのモバイル端末向けOS「iOS」向けのアプリケーションを制作している人々が50万人余りいる、と話した。


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