【経済の話】2府5県の協力で、「お・も・て・な・し」できるか 2021年関西で開催、ワールドマスターズゲームズ
2府5県の協力で、「お・も・て・な・し」できるか 2021年関西で開催、ワールドマスターズゲームズ
MONEYzine 1月12日(日)22時0分配信
海外からの旅行客を「お・も・て・な・し」するのは、実は東京だけではない。東京五輪の翌年2021年には、関西でも国際的なスポーツイベントが開催される。ただ、足並みが乱れがちな点が少々気がかりだ。
2府5県(大阪府、京都府、滋賀県、和歌山県、兵庫県、徳島県、鳥取県、および大阪市、堺市、京都市、神戸市)で組織される関西広域連合が、2021年大会の招致活動を展開していた生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ」。昨年11月に、開催地が「関西」に決定した。
アジア地域では初開催となる同大会は、世界各国の選ばれた代表が参加する五輪とは異なり、参加は個人レベルだ。年齢が30歳以上で1人2万円の費用を払えば誰でも参加可能で、夏季は1985年、冬季は2010年から、原則4年ごとに実施されている。
競技種目は30種目を予定、陸上競技やアーチェリーなど五輪でもなじみのあるもの以外に、綱引きやフィッシングといった独特の種目があるのも特徴となっている。開催権利金の500万ユーロ(約7億2,362万円)を含めて、総額約28億円。一方で、経済効果は約140億円に達するという。
しかし解決すべき問題も多い。最大の案件は、具体的な開催場所はどこかという点だ。2020年の五輪は東京都1カ所集中だが、ワールドマスターズゲームズの場合は、「関西」と漠然としている上に、招致した関西広域連合には、徳島県や鳥取県など、関西圏以外の地域も含まれている。
さらに大阪府と大阪市は、今回の招致活動には不参加だった。理由は2つある。1つは、やはり会場が広い地域に点在していては、経済効果はあまり期待できない点。そしてもう1つは、2019年のラグビーW杯の日本開催をにらんでのことだ。財政難で悩む大阪府や大阪市にとっては、五輪、サッカーと並ぶ世界三大スポーツイベントであるラグビーW杯の会場となるほうが、にぎわいや経済効果にしても、ワールドマスターズゲームズとは比較にならないほどの恩恵があると考えているようだ。
現在、関西広域連合では、大阪府と大阪市にもワールドマスターズゲームズへの積極的参加に向けて説得は試みてはいるが、いまのところ返事はノーだ。東京五輪は都知事の辞任、そしてワールドマスターズゲームズも、開催までには紆余曲折が予想される。
そして、ありそうで足りなくなるのが時間だ。日本は開催が決まった後に、国内でごたつく。世界からそんなレッテルが貼られないように、関係者のいっそうの奮起が期待される。
(加藤 秀行 、 阪神 裕平)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140112-00000002-sh_mon-bus_all
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