「インターネット・カンパニーをつくること」の重要性

今日は少し古い本ですが、こちらのビジネス書を読みました。

2004年の本なのですが、「インターネット・カンパニーをつくること」の重要性を、ベストセラーの『ウェブ進化論』が出る以前から、これほどまで具に語っている書物に出会ったのはこの本が初めてです。
また、メディアミックス戦略についての重要性にもすごく説得力を感じました。

 さらには、ターゲットに応じた最適メディアの選択も重要である。顧客が接触するメディアは年齢や性別によって大きく異なる。例えば、今日の大学生の多くは新聞を読まない。大学生には新聞広告も効かなければ、新聞に入る折り込みチラシもコミュニケーションメディアとしては有効ではない。彼らには携帯電話のメールやWebが有効なメディアになる。

 他方、折り込みチラシが最も有効なターゲットは子育て中の専業主婦である。またテレビは高齢者の自宅では視聴率が高い。メディアの選択は、ターゲットに応じたメディアの接触状況を踏まえて実践してゆくことがポイントなのである。(p160より)

LINEやTwitterなどによって、大学生が新聞に触れる機会はより減少しているように思います。

さらには新しいインターネット広告のベクトルのひとつとして、インターネットを活用してのライブ中継や疑似イベント体験なども考慮する必要があるだろう。インターネットによる情報伝達技術および、表現技術を駆使したものだ。Windows Media Playerなど各種ストリーミング・メディア(音声・動画を受信しながら、同時に再生できるネットワーク技術を使ったメディア)を使って広告することもインターネット広告としてとらえる必要がある。(p72より)
これは現在、ニコニコ動画Ustreamなどのメディアの隆盛を予測していたのではないかと感じさせられるほどです。
2004年の時点ではまだ、You Tubeでさえ日本に来てなかったんですから。(カリフォルニア州での設立が2004年です)
著者の杉山敏隆氏の先見の明は、今後のビジネス展開においても頼りになるかもしれません。