【経済の話】迷ったら自分の心の声に従え 表層の情報に惑わされるな

迷ったら自分の心の声に従え 表層の情報に惑わされるな

産経新聞 6月14日(土)23時30分配信

 「5月末の内々定率は49.0%」(出所:2015年卒マイナビ大学生就職内定率調査)との結果が先日発表されました。この結果を受けていろいろと感じる方もいると思います。内々定をもらえている学生と、もらえていない学生が半々ということになります。自分の周囲の半分が内々定をもらっていると、焦る学生もいると思いますが、同様に半分はまだ内々定をもらえていないことも事実です。内定塾の内々定率は5月末の段階で、70%くらいに達しております。まだまだ就職活動を頑張っている塾生はおります。就職活動が、大学受験のように選考時期がまとまっているのであれば、意識せざるを得ない数字となりますが、企業の選考は各社バラバラなので、就職活動中の学生は数字だけに惑わされることがないようにしてください。

 内定塾で日々学生と向き合っていると、「なぜ大手企業にこだわるのか」「大手企業に勤めている人は優秀だ」「大企業から内々定をもらっている学生へ尊敬の念を抱く」など本質よりも表面的な部分を見ている学生がこの時期になるとよく見られます。

 これらの感情は日本人特有のものであると考えられます。日本人は、義務教育、高校、大学と多くの方が同じような道を歩んでいると思います。同じような人と生活をしていく中で「バイアス」(偏り)が培われていくと私は考えております。

 バイアスに関してはライフネット生命社長兼COOの岩瀬大輔さんのブログでも「自らの強みと弱みを把握すると同時に、自分がどのような職場環境で育ってきたか、それによってどのようなバイアスを有しているかを意識して、それによって必要に応じて自らの意見を修正していくことで、より良い仕事ができるはずだ」と述べていました。

 バイアスを例で挙げると、例えば下記のようなことが挙げられます。

 学歴社会を生き抜いてきた人のイメージ

東京大学」 → 「頭が良い」

「総合商社」 → 「憧れる」

 ファッションが大好きな人のイメージ

「モデル」 → 「かっこいい」

「ブランド」 → 「憧れる」

 男らしさのある人のイメージ

「力が強い」 → 「すごい」

「プロボクサー」 → 「ストイック」

 もちろん上記の例はあくまで一例ですが、今まで生きてきた環境や自分の幼い頃の感覚によって、世の中の“常識”という物のとらえ方が微妙に変わっていきます。しかし、それらの感覚というのは残念ながら全てが正しいわけではございません。本心ではやりたいことがあるのに、バイアスのせいで直感に従うことのできない場合がたくさんあります。

 これから先の人生で、何かを判断しなければいけない岐路に立ったときは常に「自分のバイアスはどうなっているのか」を客観的に見ることができるようにしてください。私が一番よくないと考えていることは、バイアスのせいで自身の心の声に従うことができない状態です。これは就職活動に限った話ではないですが、今後の人生を生きる上で参考にしていただければと思います。(「内定塾」講師 池田陽介)

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