【経済の話】ゴーン氏、ライバルが困窮すれば自らにも問題は降りかかる

ゴーン氏、ライバルが困窮すれば自らにも問題は降りかかる

ウォール・ストリート・ジャーナル 2月17日(月)12時53分配信

 【パリ】フランス自動車大手ルノーカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は16日、ライバルの仏PSAプジョーシトロエンが深刻な状況に陥れば、自らも問題に直面するとの認識を明らかにした。両社の供給網で重複する部分が多いためだ。

 ゴーン氏はRTLラジオ局のインタビューで「供給業者の多くを共有しているという単純な理由から、プジョーが困窮することはわれわれにとって全く利益にはならない」と述べた。

 こうした供給業者自身が、プジョーなどの自動車製造会社の売上高や生産の落ち込みで困難な状況に陥っているのであれば「当社も困窮することになる」とゴーン氏は指摘した。

 在庫コスト削減のため「ジェストインタイム(JIT)」システムを採用することが多い自動車業界は過去に、1社あるいは複数の供給業者が部品を供給しなかったことで生産ラインが停止する事態に陥ったことがある。日本の部品供給会社が2011年の東日本大震災津波などの影響から生産停止を余儀なくされた際には、まさにそのような状況だった。

 そうした事態を受け、自動車製造会社が生産を継続する代替的調達手段を見つけられるよう有事計画の策定を促した。

 経営再建中のプジョーの取締役会は今月18日に会議を開く。30億ユーロの増資を通じてフランス政府と中国の東風汽車集団が有力株主になる計画について決定する。増資完了後、現在経営金を握るプジョー一族、東風、仏政府の出資比率は現在と同じ水準となる見通し。

 プジョーは中国や東南アジアでの自動車業界・商業的存在感を拡大するため東風の支援によりバランスシートを強化する必要がある。

 日産自動車のCEOでもあるゴーン氏は、プジョーと東風との関係強化によりルノーにリスクが及ぶとはみていないと語った。日産は2003年に東風と合弁事業を設立した際、東風はすでにホンダと提携関係にあり、東風はホンダの利益と日産の利益を分けて考えていることは模範となると語った。


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